スタッフブログ
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2014.11.18
冬の漢方:寒い季節の体調管理
冬は寒冷と乾燥の季節です。
寒冷と乾燥は体にとってはストレスとなります。
体が冷えると新陳代謝が衰えます。冷えで血液の循環が悪くなるため、心臓や腎臓の障害、脳卒中の発作の危険性が増します。
末梢の血液循環不良により、手足,肩、腰、ひざ等全身各所に痛みや腫れなどのトラブルが発生することになります。
冬場の養生法として
1.温性食品(寒いところでとれる、ごぼうやニンジンなどの根菜類)を摂る。
2.規則正しく三度の食事で胃腸をいたわる。
3.体をしんから温めるためぬるめのお湯(38℃)に肩まで10分以上つかる、手足の冷えやすい人は自分でこまめにマッサージをしましょう。お試しください。
体調管理に、漢方薬がお役に立ちます。
当店おすすめの、冬の漢方薬をご紹介させていただきます。
○牛車腎気丸(原末)
(ごしゃじんきがん)
<こんな時、こんな人に!>
疲れやすく、四肢が冷える。尿量が減少し、むくみがある。時に口が渇く。このような人で下肢痛、腰痛、しびれがある時。
○丹心方(ウチダ)
<こんな時、こんな人に!>
中年以降又は高血圧傾向のあるものの、頭痛、頭重、肩凝り、めまい、動悸などに効果があります。
<どんなおくすり?>
血の質を改善し、血液の流れを良くし、「血液ドロドロ」などと表現される「瘀血」を改善するものです。
丹仁方はなまえのように、丹仁が主成分になっています。丹仁はシソ科のタンジンの根で、主な働きは①血管を拡張し血液をスムーズにながす。②血液中の血栓をできにくくする。③血圧を正常値にみちびく。④血管の老化を予防する。などの作用があります
香附子は理気(精神活動の調整)・鎮痛・月経調整、 木香は理気・健胃整腸、 紅花は月経調整・行血(血行を良くする)、 川芎は月経調整・鎮痛作用、 芍薬は鎮痛・鎮痙の作用があります。
○桂枝茯苓丸
(けいしぶくりょうがん)
<こんな時、こんな人に!>
冷えのぼせ、イライラ感がある。肌が荒れ、化粧ののりが悪く、吹き出物が出る。 歯茎から出血しやすい、皮膚に赤黒い斑点が出やすい、アザになりやすい。生理に異常がある。こんな方の月経不順、子宮筋腫、不妊、肌荒れ・手の荒れ、湿疹、痔、の症状におすすめします。
<どんなおくすり?>
桂枝茯苓丸は「瘀血」を改善する代表的な漢方処方です。牡丹皮、桃仁は血液の渋滞を散じ、桂枝は協力してその作用を強化し、芍薬はうっ血を散じ、筋肉の緊張を緩和し、他の薬と協力して鎮痛効果を発揮します。茯苓は一種の緩和剤で利尿強心の効があります。
○牛黄(ごおう)カプル
<こんな時、こんな人に!>
インフルエンザによる高熱、体力の消耗眠眠れない、翌朝疲れが取れない。血圧変動、動悸が激しい時。
<どんなおくすり?>
血液の流れをよくして熱を冷まします。牛黄は単品ですが、当薬局の他の配合剤に比べてたっぷり入っています(一般的な牛黄配合剤は1回量が数mg~数十mgですが、本品には1回100mg配合されています)。
○万病感応丸
<こんな時、こんな人に!>
寒さに弱い方・風邪で高熱が続く時。 眠れなかったり眠りが浅いと感じた時。 職場、家事、育児のストレスがある方。
<どんなおくすり?>
前記の牛黄に、強心・精神安定のジャコウ・沈香、胃腸の働きを助ける人参・牛胆などを配合してあります。
○理中丸
(りちゅうがん)
<こんな時、こんな人に!>
胃腸が弱く疲れやすい、手足が冷えやすい、便は軟らかく下痢しやすい、薄い尿がたくさん出る、吐気、めまい、頭が重い等の症状の人。
2014.10.08
秋の漢方:「秋バテ」と乾燥肌に
秋も深まってまいりました。
今頃は朝夕と昼の温度差が大きく、また、台風の来襲や秋雨前線の影響による気圧の変化に、体調を崩す方がいます。特に、喘息やアレルギー性鼻炎、神経痛の持病のある方に多く見られるようです。
一方、「食欲の秋」とばかりに食べ過ぎ、特に果物や甘い物をとり過ぎてはいませんか?!
これらは、漢方で云う「湿」がたまって「水滞」を引き起こす原因となります。すると、むくみ、めまい、夜間の頻尿、水様の鼻水や痰、喘鳴のある咳、膝の関節の腫れや痛み、手足の冷え、食欲不振、悪心、下痢、などの様々な症状がでてきます。
そこで、体調管理に、漢方薬がお役に立ちます。
当店おすすめの、秋向きの漢方薬をご紹介させていただきます。
まずは「秋バテ」と乾燥肌から
全身の倦怠感+食欲不振! 「夏バテ」ならぬ「秋バテ」に
○万病感応丸(まんびょうかんのうがん)
<こんな時、こんな人に!>
秋は1日の中でも日中と夜間の気候変化が大きくなりやすい上に、3か月かけて夏の「高温・多湿」から冬の「低温・乾燥」へ気候が大きく変わる時期でもあります。また、台風に伴う気圧の変動も大きい時期です。
当然、体もそれに合わせて変化して、「発汗・熱産生は少なめ」から「保湿・熱産生は多め」にシフトしていきます。
しかし、温度や気圧の変動が激しい時に疲労やストレスが重なると、体の調節がうまくいかずに全身の倦怠感に食欲不振を伴う「秋バテ」になってしまいます。
この「食欲不振」が曲者。「秋バテ」の改善や予防には休養と栄養補給が大事ですが、食欲不振で栄養が摂れない→体調がよくならない→ますます食欲が落ちる、という負のスパイラルに陥りがちです。
こんな時には是非「万病感応丸」の助けを借りてみてください。
<どんなおくすり?>
胃腸の働きを助ける人参・牛胆が食欲不振を和らげてくれます。
血の流れを整える牛黄は、取り入れた栄養や、ホルモンの命令を血液に乗せて体の隅々まで巡らせてくれます。
強心・精神安定のジャコウ・沈香は、乱れがちな自律神経の働きを整えてくれます。
食欲不振とまではいかないけれど、疲れがたまってきたかな・・・・という方には、
「万病感応丸」1日量比で20倍の牛黄を配合した「牛黄カプセル(ウチダ和漢薬)」がおすすめです。
乾燥・赤味がある皮膚のかゆみに
○温清飲(うんせいいん)
<こんな時、こんな人に!>
秋はお肌も乾燥しがち。
皮膚がカサカサして赤味とかゆみが続いている方にお勧めします。
<どんなおくすり?>
体表の熱や、体上部ののぼせを冷ます「清熱」の黄連解毒湯(おうれんげどくとう)と、熱や潤いを補って血液の流れをよくする「温補」の四物湯(しもつとう)を合わせているので「温清飲」の名がつけられました。
逆にむくみや冷え、体力低下が激しい人には不向きですので、ぜひ「漢方相談(リンク先で解説)」で症状や体質のチェックを!
2014.08.15
夏の漢方:夏場に多い脳梗塞の予防
脳卒中は脳の血管が詰まったり(脳梗塞)、破れたりして(脳出血・くも膜下出血)、その先の細胞に栄養が届かなくなって、細胞が死んでしまう病気です。従来は血圧が上昇しやすい冬に多い病気として知られていました。しかし、このうち血管が詰まる脳梗塞、特に脳の細い血管が直接詰まる脳血栓症については夏場の方が多い傾向にあることが国立循環器病研究センターの調査(日本脳卒中学会で2004年発表)で判明しています。
夏の脳梗塞の増悪因子
○暑さによる発汗、冷房による乾燥、アルコール摂取による利尿→脱水状態→血液の粘性上昇(いわゆる「血液ドロドロ」)→細い血管で詰まりやすくなる
○暑い→熱を逃がすように体表近くの血管が拡張→血圧が低くなる→心臓や脳への血液供給が低下しやすい→血流速度が低下して血の塊(血栓)ができやすい
<水分「補給」≠水分「摂取」?!>
上記の脱水の危険性と、その予防の為の水分補給については各所で紹介されていますから、「ちゃんと水分補給している」と言う方も多いと思います。しかし、水分を口から飲む=「摂取」するだけでは、体に必要な水分が「補給」されるとは限らないのです。
2014.08.06
夏の漢方:湿疹、肌荒れ
日本の夏は高温多湿のため、汗の発散が困難になります。肘や膝の裏、首回り、腰やお腹あたりで衣服と擦れる場所は汗が溜まりやすく、湿疹やあせもができやすくなります。こまめに汗の処理をすることが大事です。
一度皮膚のバリヤー機構が崩れると、湿疹もひどくなり、範囲も拡がってしまいます。
塗り薬だけではなかなか良くならない、再発を繰り返す湿疹・肌荒れでお困りの方は、一度漢方薬をお試しください。
とは言いましても、漢方薬の丸薬、散薬はお飲みになられたことが無い方も多いはず。そこで当店では、使用感を確かめていただくための少量パック(3日分)を店頭にご用意いたしました。作用と合わせて、味や飲み心地なども含めてお試しいただければと思います。
○黄連解毒丸(おうれんげどくがん)
<こんな時、こんな人に!>
赤味を帯びて熱をもったかゆみの強い皮膚疾患、かゆみのためイライラするような症状の時に適しています。
光線過敏症によるかゆみのある赤斑にも効果が期待できます。
<どんなおくすり?>
含まれる黄芩・黄連・黄柏・山梔子はどれも消炎作用があり、熱感・血圧・ストレスなどが込み上げてくるのを下げて、余分な熱や毒素の排泄を促してくれます。
別名を「黄解丸(おうげがん)」とも言いい、同じ処方の生薬を煎じたものやそのエキス剤は「黄連解毒湯」といいます。
○消風散(しょうふうさん)
<こんな時、こんな人に!>
かゆみが強く、かゆい場所が一か所にとどまらずに移る、皮膚がジクジクしている(分泌物が多い)、掻いた跡が痂皮(かさぶた)を作るような湿疹に。あせも、夏場に悪化する湿疹、夜に強くなるかゆみなどに適しています。地肌が熱・赤味を帯びていて喉の渇きを伴うような症状を伴う方向けです。
<どんなおくすり?>
「体の表面に」症状が出て、かゆい場所が「一か所にとどまらずに移る」ような症状をもたらす要因を、東洋医学では風に似た性質の邪=「風邪(ふうじゃ)」といいますが、この風邪を消す散薬、すなわち消風散という意味です。
皮膚で滞ってしまったものの代謝・排泄を促す荊芥・防風などの発散剤を中心に、石膏・知母などの清熱・消炎剤、皮膚の栄養や新しい水分を補うための当帰・地黄を組み合わせていいます。
○桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
<こんな時、こんな人に!>
皮膚の荒れやニキビ、シミ、ソバカスの治療に適しています。
特に冷えのぼせ(自覚症状の冷えを感じにくく「手足は冷たいのに顔や頭は火照っている」「下半身は冷たいのに上半身は火照っている」ような状態)、月経不順のある方におすすめです。
長く服用していると美肌になるといわれています。
<どんなおくすり?>
滞ってしまった血液(オ血:「オ」は「やまいだれ」に「於」)の流れを改善する「駆オ血剤」の代表です。ここで言う「血」は血液そのものと、そこに含まれる栄養やホルモン、自律神経のバランスなどを含んだ東洋医学的な概念です。したがって、月経不順や不妊症、ホルモンバランスの乱れによるイライラなどの婦人科症状全般にも適しています。
血の渋滞を散じる駆オ血作用の強い桃仁・牡丹皮に、筋の緊張をとる芍薬、のぼせを下げる桂皮、利尿・鎮痛効果のある茯苓を組み合わせています。
2014.07.31
夏の漢方:熱中症、夏バテ、冷房病などの対策に
今年も猛暑日の多い暑い夏となりそうです。
暑いと、つい冷たい飲み物を摂り過ぎてしまいます。しかし冷たい物の摂り過ぎは、胃腸の働きを悪くし又冷えの原因となり全身の血液循環も悪くなり、食欲不振、お腹のはり、軟便、頭重、めまい、首肩のこり、腰痛、生理痛、風邪をひき易くなる等体の不調の原因になります。冷たい物を摂り過ぎない、クーラーの温度設定は高めに、シャワーで済ませるだけでなくお湯に浸かってリラックスする、暑い時の外出は控える等の生活の工夫はもちろん大事です。
それでも仕事やレジャーなどでどうしても生活環境を整えることができない場合もあるかと思います。
そんな時は漢方薬で体調のサポートをしてみてはいかがですか?
当店おすすめの漢方薬をご紹介いたします。
○牛黄(ごおう)カプセル+経口補水液
<こんな時、こんな人に!>
普段は元気な人でも、暑い中でひと踏ん張りするときの熱中症予防におすすめです。
汗ビッショリ・体グッタリ、暑い日の外出時、真夏のスポーツ、レジャーに。
<どんなおくすり?>
血液の流れをよくして熱を冷ます牛黄と、水分と電解質の補給に適した飲料の組み合わせで、お互いの効用を高めてくれます。牛黄は単品ですが、当薬局の他の配合剤に比べてたっぷり入っています(一般的な牛黄配合剤は1回量が数mg~数十mgですが、本品には1回100mg配合されています)。
○万病感応丸(まんびょうかんのうがん)
<こんな時、こんな人に!>
暑い日が続いて体力が落ちてきたかな? と感じ始めた時、夏の疲れにストレスが重なった時などにおすすめです。小児五疳(いわゆる「疳の虫」小児神経症)にもお使いいただけますので、小学生くらいのお子様からご使用いただけます。
夏の風邪、暑い日の外出中や外出後の疲労、食欲不振や胃もたれ、暑さによる睡眠不足などに。
<どんなおくすり?>
上記の牛黄に、強心・精神安定のジャコウ・沈香、胃腸の働きを助ける人参・牛胆などを配合してあります。
○理中丸(りちゅうがん)
<こんな時、こんな人に!>
胃腸が弱く疲れやすい、手足が冷えやすい、便は軟らかく下痢しやすい、薄い尿がたくさん出る、吐気、めまい、頭が重い等の症状の人。
疲れた時に食が細くなりがちな人の夏バテ予防、クーラーの使い過ぎによる体調不良にもおすすめです。
<どんなおくすり?>
「中」は体の中ほど、ほぼ消化器全般の意。「理」はおさめることなので、消化器の異常を治す丸薬という意味です。
胃腸の働きを助けて胸の痞(つか)えをとる人参、強壮と下痢止めの白朮、体を温める乾姜、各生薬のバランスをとり副作用を抑える甘草の組み合わせで、同じ原料を煎じた薬やそのエキス剤は「人参湯(にんじんとう)」と言います。
○清暑益気湯(せいしょえききとう)
<こんな時、こんな人に!>
寒がりで、汗をよくかく人(東洋医学では「汗家」とも言われます)の夏負け・夏バテ解消や予防に。どちらかというと普段から体力が少ない人向けです。
<どんなおくすり?>
暑さを清め、気=からだの「はたらき」を益する湯薬(=煎じ薬)という意味。術後の体力回復や虚弱体質改善に頻用される「補中益気湯(ほちゅうえききとう)」をベースに、暑気対策のアレンジを加えた薬です。当薬局で提供する製品は煎じ薬を顆粒に加工したものとなります。
汗の出過ぎや興奮を鎮める麦門冬・五味子・黄柏、滋養強壮の人参・白朮、取り入れたエネルギーや血液の巡りを良くする当帰・陳皮などを組み合わせています。