アトピー性皮膚炎の治療について

間違った考えは、アトピーを悪くすることがあります。

・他人によく効いたからとその薬を自分で勝手に使用する。
・自分で勝手に薬を飲むのをやめてしまう。
・ステロイドは使いたくない。


アトピーの状態をみて、その症状に適した治療薬を選択していくことが必要です。
同じアトピーでも、同じ発症の仕方とは限りません。自分にあった薬を選択する必要があります。
ステロイドは、アトピー性皮膚炎の治療において、炎症を制御する薬剤としては現時点で最も有効な薬です。
いかに副作用の出ないレベルでアトピーををコントロールして行くかが重要です。

治療目標1 まずは今出ている症状を緩和する

長年、アトピー症状にお悩みの方は、「アトピー性皮膚炎は、体質です。完治することはありません。」
と聞いていると思います。現在の医学で、アトピー性皮膚炎を完全に治すことは困難です。

では、アトピー性皮膚炎の治療は何なのか?=「よくなった」という状態ををどこにおくか?
・薬を塗る回数が減った

・何も塗らない、飲まなくていい期間が長くなった。

・時々、かゆみが出るけどすぐに良くなる。

現在おこなわれている治療は、薬を使いながらうまく病気と共存していくことを重視しています。
症状がコントロールできれば、日常生活を送る上ではそんなに困難な病気ではないのだと発想を
転換することがアトピー性皮膚炎と向かい合うために必要です。

治療目標2 かゆみ湿疹がでない体作り

アトピー性皮膚炎は、体質です。完治することはありません。」と言われていますが、最終的に目指す目標は
かゆみ・湿疹がでない体!アトピー性皮膚炎の完治です!

ステロイドや消炎鎮痛解熱剤は症状を軽減する「対症療法」です。
ステロイドの作用は「抗炎症作用」で、これがアトピーの皮膚症状や痒みには効果があります。
しかしこの場合、決してアトピーそのものを治している訳ではありません。

アトピーを治すのは自身の体。胃腸や腎臓の働きが整うことで、アトピー性皮膚炎を治していきます。
症状をおさえる治療と並行して、胃腸や腎臓を整える治療(鍼灸・漢方薬)を加えていきます。

さらに、食生活や睡眠時間の改善をしていけば、かゆみや湿疹に悩まされる日々から解放されます!

治療の概要

アトピー性皮膚炎には症状に応じた治療が重要です。

ステップ1:寛解導入期(症状がひどい時はしっかり治療しましょう)

薬物療法で炎症を抑える(特にかゆみと湿疹)

この時期の治療には抗炎症作用に優れた副腎皮質ステロイドを含む外用薬を正しく使うことが必要です。その他に免疫抑制剤、抗ヒスタミン剤、非ステロイド性消炎鎮痛剤を含む外用薬も使われることもあります。

また、かゆみを抑えるために抗ヒスタミン剤、抗アレルギー薬の内服薬も使われます。

この時期に適した漢方薬は、皮膚の熱を冷ます清熱剤、湿疹部位の余分な水分を取り除く利湿剤、黒ずみや紫斑などの滞った血液(瘀血:おけつ)を取り除く駆瘀血剤などです。

入浴と保湿剤によるスキンケア

症状を抑えて、薬の効果を高めるには毎日の入浴やシャワーが大切です。泡立てた石鹸や低刺激洗剤でやわらかく洗い、表面に洗剤が残らないようすすぎをしっかり行います。引っ掻いて傷ついた皮膚は滲出液〈しんしゅつえき〉が付着し、細菌が繁殖しやすいため、入浴やシャワーによる皮膚の洗浄が必要です。

 入浴やシャワーによって皮膚に潤いを与えられますが、入浴後何もしないとすぐに乾燥してしまいます。皮膚が乾燥する前に、保湿用の外用薬や化粧品を全身に塗るのがスキンケアのコツです。

生活習慣改善(特に悪化因子探しとその対策)

一度に多くの点を改善するのが大変な場合は、影響が大きそうなもの・改善の負担が少ないものから順番に行いましょう。

肌と擦れるたり洗剤の残った衣服、部屋のほこり・ダニ・花粉、過食や偏食、睡眠不足、ストレスなどが悪化因子として考えられます。

ステップ2:寛解維持期
(症状が治まってきたら、その状態を維持しましょう。再発した時は、早めに治療しましょう)

スキンケアと生活習慣改善は継続

悪化要因を避けるのも大事ですが、こうすれば良くなる! というような気晴らしやリラックス方法も見つけてみてください。よくなる方法があれば、悪くなりかけた時も余裕が持てます。

また、治療や生活習慣改善で、負担が大きいと感じることは制限を緩めることも考えましょう。過度の食事制限、日焼けを避けるための極端な外出制限、効果が不確かで高額な医薬品・健康食品・保湿用剤の連用、治療のための遠距離移動、余暇を削る程の時間を要するスキンケア、などを行っていませんか? もう一度治療と生活を見直してみてください。

漢方薬による体質の改善

体質改善は漢方薬が得意とするところです。

皮膚を栄養する血液を補う補血剤、皮膚の潤いに必要な水分を補う滋陰剤、消化吸収やエネルギー代謝を助ける補気剤、ストレスが身体に影響することを和らげる理気剤などが、本人の体質に応じて用いられます。

外用薬の予防的使用(プロアクティブ治療)

重症例や再発を繰り返すような場合、ステロイド製剤の強度や使用量、使用間隔を落としながら、今まで炎症が起こっていた部位全体に予防的に使用することを継続します。ステロイド外用薬からの離脱を急ぎすぎず、上手に減らしていきましょう。

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